大麻がダメだと、我が子に説明するために…

  • 投稿 : 2015-11-10
  • 更新 : 2015-11-18
・倫理観やモラル感というのは、実は根拠がない場合が多い
・正論や大義にたよると、根拠を論破されると、もろく崩れさる
・不安や恐怖を煽る戦法も、不安や恐怖を取り除かれると、もろく崩れ去る
・大麻に関してはダメだというほうが、論理を組み立てるのには不利にできていると思われる

こういう性質の側面があることを理解しておいたほうがよいのではと僕は思います。
特に、4つめの部分を知っていくのも重要だと思う。

理解できたら、ダメだとわかるはずというのも捨てたほうが良いと思う。
相手も、理解出来たら、ダメでないのがわかるはずだと思っているかもしれないんだし…。

先ずは、有利でない?資料を読んでみましょう

大麻: 健康上の観点と研究課題
世界保健機関(WHO) 精神保健・物質乱用防止局

世界保健機関(WHO)、1997 年
http://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/kokusaikikan01.pdf

僕なりに読んでみた

13. 大麻と他の薬物との比較 P.44
1995 年に大麻に関する当時の知識水準のレビューを作成した専門家グループは、健康へ
の大麻の既知の影響と、アルコールやタバコ/あへん剤など精神活性効果を有するさまざ
まな合法・非合法薬物の健康への危険性との比較を試みたセクションを草案に含めた。

しかしながら、そのような比較の信頼性と公衆健康における意義については疑わしいも
のがある。ある薬物のユーザは他の 1 つ以上の薬物を使用している場合もあり、その使用
全体のリスクは、個々の薬物の使用に係わるリスクと同じ、又は、そのリスクの合計にな
るというわけでもない。そのうえ、薬物使用に関わる危険性も、共同体の中での薬物使用
の社会的/文化的背景、政治的/経済的背景、様々な精神活性物質の入手可能性、調薬と
服用量、投与の経路、使用の頻度、および関連したライフスタイルなどの要素によって強
く影響を受ける。大麻使用のリスクの量的側面は信頼できる疫学的研究の欠如によって大
部分が不明であり、したがって、そのような比較は科学的であるというよりは推論的にな
り勝ちである。

さらに、多年にわたって定期的に大麻を使用する者の人口的比率は、現在アルコー
ルまたはタバコを使用する者の比率と比較してはるかに少ないが、大麻による公衆衛
生に対する危険性の程度は、単にそのような表面的な状況に基づいて判断されるため、
アルコールまたはタバコが与える危険性よりも低く評価される傾向がある。しかし、
ほとんどの大麻使用者は、他の薬物の使用者でもある点は強調されねばならない。

・大麻による公衆衛 生に対する危険性の程度は、単にそのような表面的な状況に基づいて判断されるため、
アルコールまたはタバコが与える危険性よりも低く評価される傾向がある
・ほとんどの大麻使用者は、他の薬物の使用者でもある点は強調されねばならない
・大麻使用のリスクの量的側面は信頼できる疫学的研究の欠如によって大部分が不明であり、したがって、そのような比較は科学的であるというよりは推論的になり勝ちである。
・薬物使用に関わる危険性も、共同体の中での薬物使用の社会的/文化的背景、政治的/経済的背景、様々な精神活性物質の入手可能性、調薬と服用量、投与の経路、使用の頻度、および関連したライフスタイルなどの要素によって強
く影響を受ける。

この4つの観点が、ダメだとする論理には重要かもしれないなと思う。
あともしかすると、社会的背景を考慮することも重要で、ここは日本だというのが意外と重要な要素をもつのかもと思わなくはない。

5.2 運転への影響  P22
大麻による急性効果が特に重要となることが予想される行動には、危険な機械の操作や
自動車の運転などがある。実験研究と事故被害者のカンナビノイドのレベルの研究(Smiley
et al., 1981; Stein et al., 1983; McBay, 1986; Soderstrom et al., 1988)から、大麻中毒の
状態で運転する人には自動車事故の危険が高まると結論付けるに十分な、確実で一貫した
証拠が挙げられる。

運転系はこれでダメだといえると思う。

6. 呼吸器系への影響  P28
実際、マリファナの煙のタール相では、一部の発癌物質が、同等量のフィルターなしのタバコよりおよそ
50パーセント多い(Leutchtenberger, 1983; Institute of Medicine, 1982)。

これも・・。

ただ、「ああ言えばこう言う」戦法を相手するのは僕は苦手なので、たぶん論破はできない可能性は高いと思う。
相手のほうが一枚上、子供のほうが一枚上だという前提で挑まないといけないと思う。

もちろん、僕がという話で、他の人たちはそうでないかもしれないけどね。

ダメだと明確に言えなくても・・

・安全じゃなくて、同程度の危険という話
 => 比較しているものが危険じゃないという心理を利用した心理トリック

・たばこや酒も禁止すべきだという話
 => 実際には禁止したほうが良いかもしれないということを考えさせない心理トリック

・海外では?
 => 参考になるけど、それだけの話

・コーヒーとかお茶とかの話
 => マレみたいだけど、依存症になって禁断症状出てる人もいるよということを知らないこと
    を利用した心理トリック

・実体験系の話
 => 試したけど大丈夫だった。
    知人が試していたが大丈夫だった。
    多くの人が大丈夫だということで、安心感をあおる心理トリック

・WHOが・・・
 => 権威を利用した心理トリック
    WHOは正しいことを言っているのに違いないという思い込み
     
・古来から・・・
 => 伝統や習慣をプッシュする心理トリック

・自然のもの、化学合成されていない
 => 成分の問題なんで、自然かどうかなんて本当は関係ないというのを忘れがち


思い出せないけど、いろんな心理トリックというか、論法?が使われてると思う。
これって、別に大麻だけでなくて、ほかでもいろいろ使われているテクニックであることは確かであると思う。

そこで、
騙そうとする人たちや意見を押し付けてくる人たちが、よく使うテクニックだよという話だけでもするだけでかなりマシかもと思う。

まず、賛同から、疑いをもってものを見る段階までには戻せるかもしれないわけですからね。

ダメだという根拠が明確で、否定できればいいけど、そうできない場合は違う手段を考えないと無理だとは思う。
相手のほうが実は有利で、部分否定をつかうだけで、根拠を崩していけるというのがあると思う。

もちろん、同じ手法はこちらも使えるわけだけど、対等じゃないんですね。心をとらえることができない場合は、部分否定では、よくて疑惑を植え付ける程度しか効果がないと思う。

子供、若者の特性

若者は、常識だとおもっていたことが崩される快感?というものにはまりやすいと思う。

マトモな親は、実態を知らない

なにがマトモかは価値観によるけど、僕がマトモだとした場合。

明らかに害があるシンナーとかでも、多くの人は表面上は平気で、マトモそうな大人になってたりするんで、そういうのを親が知らないと難しい面があると思う。

だって、まともな親は、シンナーなんてものに関わらないし、そんな実態を知ることもまずないんだから。

そういう状況でも、心をうごかせるものがないと、ダメだと思ってくれない可能性があるかとは思う。

違法だから、ダメ

これも、心を動かすという点では、あまり意味ないかも。
スピード違反は違法だからといっても、辞めない人がいるのをみれば明白。

温和でナチュラルに誘導してくる手法

(僕から見て)敵のほうが、マイルドで紳士的である場合が多いと思う。
逆に、必死にダメだと伝えようとして、逆効果になる場合もあると思う。

大麻にかかわって、不幸になったり、人生を踏み外した人がいるのは事実

でも、ダメだと思う人は、だからダメなんだよと思うけど、
そうでない人たちは、自分たちは大丈夫とかそういう感覚になりやすいとは思う。

・・・

京都市内の公立小学校に通う6年生の男子児童が、教師に「大麻を吸った」と話したことが市の教育委員会への取材で分かりました。相談を受けた警察は事実かどうか確認を進めています。
京都市教育委員会によりますと、先月、京都市内の公立小学校に通う6年生の男子児童の生活態度に問題がみられたことから、教師が本人から話を聞いたところ、「たばこや大麻を吸ったことがある」と話したということです。学校が、所持品などを確認した範囲では、大麻や吸引器具などは見つからなかったということです。
小6男児「大麻吸った」 警察が事実確認へ NHKニュース

このニュースをしって、WHOが云々とかいっていた人たちを思い出したので、ブログに書いてみました。

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